「国家の品格」を読み終わりました

私が初めて読んだ藤原正彦さんの本は「遥かなるケンブリッジ 一数学者のイギリス」。
大学生のときでした。


当時の私は、専攻が数学関連。
また、生まれて初めての海外でイギリスを訪れ、すっかり魅了されていました。


そんなタイミングで藤原先生のこの本に出会ったため、あっという間に引き込まれ、そのまま続けて「若き数学者のアメリカ」も読了。
"今度はアメリカにも行ってみたい" と夢が広がり、ワクワクしたものです。


そうこうしているうちに、瞬く間に大学の 4 年間が過ぎて就職。
学生のときとは生活がガラリと変わった、そんな頃。
藤原先生の「国家の品格」がベストセラーとなりました。


"おぉ、あの藤原正彦さんの新刊がこんなに話題になっている!"
と気になってはいたものの、なぜか今日まで読む機会を逸していました。



そして、久しぶりに手に取った藤原先生の著作。


今まで読んできたエッセイものではありませんが、相変わらずの読みやすい文体と、ユーモラスな語り口。
一気に読み終えました。


最近、投資の情報に触れることが多く、
"なんだかんだいって、アメリカってすごいんだな"
"日本経済って、今後成長する可能性は低そう"
と思うことも、しばしば。


でも、それはあくまでアメリカ主導の資本主義経済という軸で見た場合であって、心の豊かさはまた別の話。


"論理の起点" となる美しい「情緒」や「形」を重んじること。
自然を敬い、学問、文化や芸術を尊ぶこと。


そういう日本人が古来より大切にしてきたものの中に、私たちが心豊かに生きるためのヒントがあるのかもしれない。
そう気づかされました。


先生が 、欧米とは比較にならないくらい充実していると書かれている 5 世紀から 15 世紀の日本文学。
万葉集、古今集から方丈記、徒然草にいたるまで、一度しっかり読んでみようかな。
そんな気分になっています。