「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読みました
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
黄色い表紙が印象的なこの本は、数年前、本屋さんに平積みされているのを、よく見かけていました。
"話題になっている本なんだな"
くらいの認識はありましたが、手に取ることはなく、小説なのかエッセイなのか、何をテーマにしている本かも知らないまま。
そんなある日、母と話していると、唐突に
「ブレイディみかこさんって知ってる?」
と聞かれたのです。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の著者、ブレイディみかこさんは福岡出身。
決して裕福ではない家庭環境に育ちながら、地元の有名進学校である修猷館高校を卒業。
その後、大学へは行かずに渡英。
イギリスで出会った旦那さんとご結婚され、息子さんと 3 人家族。
現在はライターとして活躍しておられます。
生まれも育ちも福岡の母は、この経歴の異色っぷりが、ことさら実感できるようで、
「すごいよねぇ。おもしろい人。」
と、繰り返し言っていました。
そんな経緯もあって、いつか読もうと思っていたのですが、"いつか読もう本" が大量にある私。
結局、あれから数年経ったこのゴールデンウィークに、ついに読んでみました。
まずは、結論。
すっごくおもしろい!
みかこさんの息子さんが通う中学校は、いわゆる "元底辺中学校"。
もとは、相当ランクが低い "底辺中学校" だったのですが、音楽や演劇など、生徒たちの興味のあることをのびのびやらせる方針に転換し、徐々に状況が改善。
今では、真ん中くらいまでランクが上昇という、まるで映画やドラマに出てきそうな学校です。
品行方正なカトリックの小学校に通い、生徒会長まで務めた息子さんが、この "元底辺中学校" へ通うと決めて、入学後に体験する数々の出来事。
人種、ジェンダー、貧富といった様々な課題が、思春期にさしかかる子どもたちの生活にも否応なしに反映される様子が、生き生きと描かれ、なるほどと思わされ、たくさん考えさせられました。
「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
アイルランドと日本の血を引く息子さんがノートの片隅に書いたという、この言葉。
初めて本屋さんで見かけたときは、何の分野の本なのかまったく想像がつきませんでしが、読んでみると、なるほど、実に秀逸なタイトルです。
さて、数年の時を経て、今度は私から母に話を振る番です。
「ブレイディみかこさんのこと、覚えてる?」
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