姪っ子がぬいぐるみを抱っこする姿に感無量な訳
妹から、ある動画が送られてきました。
1歳半の姪っ子が、あるぬいぐるみを初めて渡され、遊んでいる姿が映っています。
ぬいぐるみは、フワッとした手触りのヒツジ。
姪っ子の胸にちょうどおさまるくらいのサイズです。
姪っ子は、満面の笑みを浮かべ、ぬいぐるみの顔を見つめたり、なでなでしたり、ギュっと抱きしめたり、高い高いしたり。
このぬいぐるみが、あっという間に彼女の大のお気に入りになったことが、ヒシヒシと伝わってきました。
実は、このぬいぐるみにはちょっとしたストーリーがあります。
それは 10 年以上前のこと。
姪っ子の母親である私の妹は、25歳のときに婦人科系のがんを患いました。
最初はまさかそんなに良くない状態だと思っておらず、悠長に構えていたのですが、検査を重ねるたびに、悪いニュースばかりが飛び込んでくる...
一家全員、健康体で過ごしてきた我が家にとって、もっとも若い末っ子の身に起こった出来事に、天地がひっくりかえるような思いでした。
結局、妹は最長 3 ヶ月、その後も断続的に入院生活を送り、家族は代わる代わる病院に通う生活が続きました。
そんな中、真ん中の妹が、入院中の妹にあげたのが、例のヒツジのぬいぐるみです。
20代半ばという年齢ではありましたが、妹はぬいぐるみに "ラフ" という名前をつけ、いつも病院のベッドに置いていました。
私も、病院から帰る際、自分の身代わりのような気持ちで、妹の隣にラフを置いて帰ったことが何度もあります。
たとえぬいぐるみであっても、妹に寄り添う存在があることは、心の救いになりました。
そんなラフが、あれから 10 年以上経って、初めて姪っ子の手に渡り、大のお気に入りになっている。
動画を観て、何とも言えない気持ちになりました。
あの頃の私は、とにかく妹の命をつなぐことに必死で、まさか、妹に子どもができ、その子がラフと遊ぶ日がくるなんて... まったく想像していなかったことです。
奇跡ってあるんですね。
今、姪っ子はラフをなでなでしているつもりが、ほぼ叩いている状態。
あなたがいるのは、そのコのおかげなのよー。
ぜひ優しくしてあげてほしいです(笑)
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