ベルリンで買った器

朝、いつも通り、食事の支度をしていたら、ふと、手に取った器に目が留まりました。



1 日 1 回は必ず。
日によっては複数回使うこともあるこの器は、10 年ほど前、ベルリンを訪れた際に、買ったものです。


かつてのベルリンは、東ドイツと西ドイツに分断されており、その間にはベルリンの壁があった。


その程度の知識は、私の頭の中にもありましたが、実際に現地で自分の目で見て初めて
"こういうことか"
と思った記憶があります。


ヨーロッパ的な雰囲気の旧西ドイツエリアに対し、直線的で整然とした光景が広がる旧東ドイツエリア。


目隠しで移動して、パッと目隠しを外した瞬間に、そこがもともと西だったのか、東だったのか当てられそう。
たった壁一枚のこちらと向こうで、それくらい違っていました。


ヨーロッパは何度か旅したことがあった私にとって、新鮮だったのは旧東ドイツエリアの空気感。


ぶらぶら散歩している最中に立ち寄った雑貨屋さん、というか古道具屋さん?があり、冒頭の器はそこで見つけました。


すっきりした形状と、どんなものにでも馴染んでくれそうな色味、使いやすそうなサイズ感が気に入ったのに加え、裏を見ると



少しかすれていますが "MADE IN GDR" とあります。


これは、旧東ドイツでつくられたということ。


古道具なので、ピカピカではありませんでしたが、その古さもまた味わい。
お値段も格安でしたし、"良い思い出になりそう" と買って帰りました。



あれから 10 年。


朝、もずくを食べるとき。
お昼にヨーグルトを食べるとき。
料理で卵を 1 つ溶くとき。


色んな場面に活用できて、本当によく使っています。


購入した 2 つは、こんな形でスタッキングも可能。



あれからベルリンは変わったのだろうか、またいつか行ってみたい。


手にした器を眺めながら、そんなことを思った朝でした。