「香三才」を読みました



近ごろ、お香への興味がムクムクと湧いている私。


「香三才 香と日本人のものがたり」という本を図書館で借りて、読んでみました。





読み始める前に、表紙の美しさにうっとり。


著者の畑正高さんは、京都に本店がある香老舗「松栄堂」のご店主。


香を商いとする家系に生まれ育った方らしい、非常に豊富な知見と洞察で、日本の香の歴史や文化を、実にわかりやすくまとめてくださっているのが、この本です。


図書館のお香関連の本から、こちらを選んだのは、本当にたまたまだったのですが、結果的に私のような、香の世界にまったく知識のないものにとって、大変ありがたい一冊でした。



古くからお香の原料や香道で使われてきた香木は、日本ではまったく取れず、東南アジアなど海外から輸入するしかないこと。


香木は、自然の中で非常に長い年月をかけて生成されるが、現代科学においても生成過程で未解明な点があり、人工的には作り出せないこと。


自国で香木が産出されないという厳しい条件にもかかわらず、聖徳太子の時代に香木が伝来されて以降、日本で香の文化が豊かに育まれてきたこと。




などなど、初めて知るお香にまつわるアレコレがたくさんありすぎて、読んでいる間中、最初から最後までワクワクしっぱなしでした。


普段、どちらかというと本を読むスピードは速い方なのですが、「香三才」はいつもの 2 倍くらいかけてじっくり読んだ程です。



自然の恵みの結晶であり、一本一本個性をもつ香木。


その貴重な香木を、大事に豊かに味わう香道。



この本を通じて、ますます興味が湧いたので、さらに色々と体験したり、調べてみたいと思います。